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Cv値について
Cv値とは
Cv値とは流体の流れやすさを示す固有の係数であり、その値が大きいほど圧力損失が少なく、流れやすいということになります。
バルブを全開にした時、単位時間あたりにバルブを通過する流体の体積、または重量のことをバルブの容量といい、一般的にバルブの種類とポートの口径によって決まっています。
しかし、同じ種類・同じ口径のバルブでもメーカーが異なれば容量も異なり、流体の種類・温度・粘度・比重・圧力・ポート前後の差圧、バルブ本体やポート部の構造・寸法などさまざまな因子によって左右されます。
さらに、バルブの種類により、同じ口径でも圧力損失が大きいもの、小さいものなど色々あり、バルブの選定が困難となります。
そこで、これら流体仕様をある標準値に保つことで表わされた数値を容量係数といい、これを用いることでバルブの種類・口径の選定が比較的容易にできるようになります。
容量係数にはCv値、Kv値、Av値があり、そのうちCv値が一般的によく用いられる値で、特定のトラベルにおいて圧力差が1lbf/in2の時、バルブを流れる60゚Fの温度の流体を US gal/minで表した値です。
同じ差圧であれば、Cv値が大きいほど通過する流量は大きくなり、また同じCv値であれば差圧が大きいほど通過する流量は大きくなります。Cv値は以下の式により求めることができます。
Cv=Q×√(G/Δp)
- Cv
- Cv値
- Q
- 流量 [gal/min]
- G
- 比重(水の場合=1)
- Δp
- 差圧 [lbf/in²]
なお、Kv値は圧力差が1 barの時、バルブを流れる5~40℃の水の流量を m3/hで表したもの、Av値は1 Paの時、バルブを流れる水の水量をm3/sで表したものです。
また、Cv値とKv値は単位系が異なりますが、以下の関係があります。
=8.65×10-10
二方フルボア式ボールバルブCv値(全開時参考値)
(HF5、TB5、FM5、TM1、HJ5、TF5型)
CV値はバルブ固有の流れやすさを示す容量係数であり、主に流量調整を目的としたコントロールバルブの口径選定に使用されます。ボールバルブの特徴として全開時において流路部に弁体が残らないことから、圧力損失が無視できるほど小さく、主にON-OFFの用途で使用されますが、ポジショナーなどの計装機器を付属し開度調整を行う使い方でも多くの実績がございます。
下図は二方フルボア式ボールバルブの参考CV値です。ボールバルブは他弁種と異なり、構造上低い差圧でキャビテーションやフラッシングが発生しやすく、計算式通りの流量が確保出来るとは限らないことをご留意下さい。
※ソフトシートのボールバルブの中間開度で使用する場合、シートが変形する要因になります。流量調整の用途でご使用の際はご相談下さい。
口径 | 二方フルボア | |
---|---|---|
[mm] | [inch] | |
8A | 1/4B | 3.0 |
10A | 3/8B | 7.5 |
15A | 1/2B | 16.5 |
20A | 3/4B | 40.0 |
25A | 1B | 78.0 |
32A | 1-1/4B | 145 |
40A | 1-1/2B | 210 |
50A | 2B | 440 |
65A | 2-1/2B | 680 |
80A | 3B | 1,150 |
100A | 4B | 2,350 |
125A | 5B | 3,450 |
150A | 6B | 5,350 |
200A | 8B | 10,350 |
250A | 10B | 17,650 |
300A | 12B | 26,050 |
ボールバルブの固有特性
固有特性は常温の水などの様に非圧縮流体で密度も不変と考えられる流体を用い、圧力差も一定の状態で特性を求めます。
以下に示すグラフは開度による流量を表すボールバルブの固有特性の一例であり、横軸にバルブ開度(%)、縦軸に流量(%)を記載しています。