種類・構造
スパイラル式熱交換器
【概要】
流路が単一流路であり、スケールが付着した際には流路断面積が小さくなることで、流速が増大しスケールを剥離する自浄作用が働きます。また、通路幅を自由に設計できることから、固形分を含む流体にも対応でき、カバーにヒンジなどを取り付けることで分解作業が容易になります。
多管式熱交換器に比べ伝熱係数を大きく取れることから小型化が可能です。
平板の板幅、間隙をある程度自由に設計でき、溶接構造であることから幅広い用途で使用されています。
【構造】
平板を冶具で渦巻状に巻き取り、その流間はスタッドピンを立て間隙を確保し、2流体それぞれの流路を確保して伝熱面とします。液―液用途の場合、流路のシールは通常片側交互端を溶接し反対側の端はカバーを設置しガスケットを取り付けることでシールされます。コンデンサーなど気―液用途の場合には、液側流路は両端を溶接して通路を袋状とし、気体側はシールされない構造です。
1型
伝熱面を交互端溶接し、2流体のコンタミを避けています。スパイラル面を地面に対して水平に設置する場合と垂直に設置する場合があり、スラリーが多い用途では、水平に設置します。
2型
液側は両端溶接とし、気体側はシールされない開放状態の流路を形成します。伝熱面から筒状の胴体を溶接して延長し、任意のノズルを配置できます。
3型
1型のスパイラル面を地面に対して垂直に設置し、凝縮液抜きノズルを設けることで気―液用途で用いることが可能です。また、スラリーの多く含まれる液を流す場合にはスパイラル面を水平設置する場合もあります。
塔頂コンデンサー
2型の派生ですが、塔頂に直接接続できるように、胴体部にフランジを設けています。