対数平均温度差（LMTD）
対数平均温度差（LMTD）とは、熱交換器内での2流体間の平均的な温度差を近似的に算出したものです。2流体間の温度差は下のイメージ図の様に均一ではないため、対数を用いて平均化します。
向流と並流
対数平均温度差の算出方法は2流体を流す方向により、向流と並流の2つに大別されます。向流とは2種類の流体を向き合う形で流す方式で、並流とは2種類の流体を同じ方向に流す方式です。また、向流には完全対向流と、並行流との中間にあたる直交流があります。
対数平均温度差は以下の式を用いて算出します。
対向流： ΔTLMTD＝[(T1－t2)－(T2－t1)]／In[(T1－t2)／(T2－t1)]
ただし、(T1－t2)＝(T2－t1)のときはΔTLMTD＝(T1－t2)となります。
並行流： ΔTLMTD＝[(T1－t1)－(T2－t2)]／In[(T1－t1)／(T2－t2)]
ΔTLMTD：対数平均温度差[℃]
T1：高温側入口温度[℃]
T2：高温側出口温度[℃]
t1:低温側入口温度[℃]
t2:低温側出口温度[℃]
補正係数Ft
対向流と並行流を組み合わせた流れ方をする場合には、完全対向流で計算したΔTLMTDに補正係数Ftをかけます。
RA＝(T1－T2)／(t2－t1)
EA＝(t2－t1)／(T1－T2)
ΔTTRUE：真の平均温度差[℃]
RA：水相当比[－]
EA：温度効果[－]
